弁護士・検察官・裁判官になるための法科大学院(ロースクール)とは?

フジテレビの月9枠で、北川景子さんが主役を演じるドラマ『女神(テミス)の教室』が始まり、初回に10.5%という堅調な視聴率でスタートしました。目立ったスキャンダルもなく、DAIGOさんとの熱愛結婚報道からクリーンなイメージのある北川さんにはぴったりの「ロースクールの教員」という配役です。

本作は、いわゆるリーガル系ドラマのジャンルになるのですが、皆さんは弁護士・検察官・裁判官になるにはどうすればいいか、ご存じですか?

今回は、弁護士・検察官・裁判官になるための学校、法科大学院(ロースクール)についてご紹介したいと思います。

法曹界について

法曹界とは、主に法律関係の仕事に携わる職業の業界のことを指していて、裁判官や弁護士などの職業をまとめて指す言葉です。

どの職業も法律を扱う専門職なので誰もがなれるわけではなく、試験を合格した人だけがその権利を得ます。また、その試験も誰もが受けれるわけではなく、定められた条件をクリアした人のみが試験を受けることができます。

法曹界への門「司法試験」

いくつかの法曹界の仕事につくには、必ず司法試験に合格する必要があります。三大国家資格と言われる医師・弁護士・公認会計士になるための試験としては、受かるのが最も難しいともいわれるのがこの「司法試験」です。

司法試験に合格すると弁護士、裁判官、検察官などの法律実務家はもとより、税理士や弁理士などにもなることが出来るので、とてつもなく壁は高いですが一度受かってしまえば将来に困ることはないというほど、ステータスが高く汎用性の高いものになっています。

ちなみに司法試験の一回の受験料は、28,000円です。

司法試験の受験資格

司法試験の受験資格を得るには2つのルートがあります。

  1. 法科大学院(ロースクール)を修了する
  2. 予備試験に合格する

ただ、②に関しては経済的な理由や環境により①が困難な人の為のルートとなります。独学で勉強しての合格が必要になりますが、一説には本試験である司法試験よりも難しいとの噂も・・・。なので、基本的には①のルートを通って法曹界に入っていくんですね。

ロースクールについて

法曹界で仕事をしたい人が司法試験受験資格を得るために通うのがロースクール、というのはここまでで理解していただけと思います。

また、ロースクールには4年生大学で法学を並んでいる等、既に一定の知識を持っている人向けの法学既修者コース(2年コース)と、これから法曹界を目指す人向けの法学未修者コース(3年コース) の2種類のコースがあります。

どちらに入るにしても試験に合格する必要があり、2年コースを選択する人には必ず法律科目試験があります。

学費

学費については、大学の授業料と同じくらいです。比較的安価な国立大学のロースクールなどだと年間60-70万、私学だと150万ほどかかるところもあります。もちろん安くはありませんが、平均年収900万を超えると言われる弁護士への道と思えばそこまで高い出費ではないかもしれませんね。

ただ、それでも安い金額ではないので、経済的に入学が厳しい人もおり、そういった人のために予備試験制度があるんですね。ちなみに予備試験の受験料は一回17,500円です。

どのロースクールがいい?

2年、もしくは3年で課程を修了し、その後司法試験を受けるわけですが、もちろんどのロースクールがいいかというのも気になりますよね。そこで、2022年の合格確率トップ5のロースクールを紹介します。

  1. 京都大法科大学院:175人中 119人(68.0%)
  2. 東京大法科大学院:192人中 117人(60.9%)
  3. 一橋大法科大学院:110人中 66人(60.0%)
  4. 慶應義塾大法科大学院:181人中 104人(57.5%)
  5. 東北大法科大学院:48人中 27人(56.3%)

ちなみに法科大学院全体でみると、2,677人の受験者中1008人(37.7%)が合格しています。

司法試験に合格して終わりじゃない

ロースクールに入学し、2年3年かけて課程を修了し、猛勉強して司法試験に合格、これで晴れて法曹界でのキャリアを始められる・・・と思ったそこのあなた、甘いです。

ここからさらに司法修習を受け、その後の試験に合格する必要があります。司法修習は弁護士・検事・裁判官など進む先に分かれて、法律実務に関する知識と実技を学ぶことが目的とされています。実際の現場で働くことになるので、最低限の給料が支払われ、場所によってはその他の手当等も支給されるようです。

この課程を修了し、通称『二回試験』と言われる司法修習生考試に合格すると、晴れて弁護士・検察官・裁判官になることが出来ます。ロースクールに入ってから弁護士・検察官・裁判官になるまで、最低でもさらに3年は必要ということになりますね。

最後に

いかがだったでしょうか?ロースクールは多くの法曹界で働く人のための登竜門であり、法律を扱う仕事に就く上で基礎の多くを学ぶ場所です。そしてこの記事を読んだ皆さんは法曹界で働くのが如何に過酷な時間と勉強の上にあるか理解していただけたのではないかと思います。

もし知り合いでロースクールで学ぼうとしている、学んでいる人がいれば是非応援してあげてくださいね。